【プレビュー】「個」から「チーム」へ。アローズ、今週末三重戦、連敗からの巻き返しを誓う。（10月15日 香川ファイブアローズ）
B3 LEAGUE 2025-26 第4節 香川ファイブアローズ ホームゲーム
香川ファイブアローズ VS ヴィアティン三重
10月18日(土) 14:00 Tipoff
10月19日(日) 14:00 Tipoff
＠高松市総合体育館
前節、アウェーでの四国ダービー、徳島戦で手痛い連敗を喫したアローズ。B3リーグ第3節を終え、成績は4勝2敗、順位は4位となった。全勝の東京八王子、徳島、そして3位の岡山に続く位置だ。敗戦からの巻き返し（バウンスバック）を期し、今週末、高松市総合体育館でヴィアティン三重戦に挑む。この日のチーム練習では、時折、籔内ヘッドコーチ（HC）から檄が飛ぶ中、前線からの積極的なチームディフェンスを中心に、熱量の高い練習が行われた。キャプテンのデイビス選手は「徳島戦での負けをどう活かすか考えてプレーしていた。チームとしてのコンセプトをやらないといけない」。磯山カロンジ選手は、「自分たちの強みをしっかりと出していかなかればいけない」とヴィアティン三重戦に向けて気持ちを引き締めていた。
○四国ダービーで見えたディフェンスの課題
徳島戦では、アローズディフェンスの課題が明確になった。
徳島のアウトサイド攻勢を止められなかったこと。徳島ガンバロウズが、3PをGAME1で13/31（成功率41.9%）、GAME2では15/34（成功率44.1%）とアウトサイドが爆発し、大きなモメンタムを作り出した。
インサイドプレイヤーであるローガン選手のチャンスメイクからオープンになった岩松選手がGAME2で4/4と成功させ、このシリーズの「Xファクター」とも言える活躍を見せた。チームアシスト数もGAME1で18本、GAME2で17本と、アローズを上回った。プレッシャーが不十分でアウトサイドでオープンな機会を与えすぎた。
もう一つは、トランジションディフェンスの成否を示すスティール数だ。
アローズはGAME1で4本、GAME2で6本と、レギュラーシーズンの平均（5本）と同水準だった。しかし、対戦相手の徳島ガンバロウズは、その倍となる1試合平均10.5本のスティールを記録している。ガンバロウズはGAME1で7本、GAME2では11本と、ボールを持つアローズに対し継続的に高いプレッシャーをかけ続けた。このシリーズにおいて、ターンオーバーを誘発させ速攻に繋げるトランジションディフェンスの起点を作ったのは徳島であり、これは本来アローズが目指すディフェンススタイルを奪われた形となった。
今シーズンのプレシーズンゲームでは、ディフェンスから速攻に繋げた試合として、千葉J戦で9スティール、愛媛戦では15スティールを記録している。これらと比較しても、本来アローズが目指すべきディフェンススタイルから見ると、現状のスティール数はまだ程遠い。
○今シーズンのヴィアティン三重
アローズでもプレーしたクラブ功労者、溝口秀人さんは引退し、ヴィアティン三重U15のヘッドコーチに就任。背番号の9番は盟友の高松勇介選手に託す。昨シーズンから契約継続は高松選手、宮崎選手はじめ9名。新外国籍選手2名、大卒ルーキーを3名加えた布陣となった。HCは4シーズン目となる玖田将夫コーチ。高松選手はアソシエイトコーチ、宮崎選手はアドバイザリーコーチとしてコーチングスタッフの一員ともなって脇を固める。
第3節を終えて1勝3敗、11位と苦しいスタートを切っているものの、粘り強い戦いを持ち味とするチーム。前節の金沢戦のゲーム2ではベテラン宮崎選手がこぼれ球を拾っての劇的ブザービーターでの勝利。1番、宮崎選手は昨シーズンB3フリースロー成功率1位を獲得するなど頼れるベテラン選手。また、7番、佐脇選手は昨シーズンのスリーポイントシュート3位となる39.17%と安定したシューター。シーズン序盤ながらも頭角を現しているのは28番、渡邊翔豪選手。一試合平均で日本人選手最多の10.7得点を上げ、3ポイントシュート成功率が52.6%（19本中10本成功）と、三重の重要なアウトサイドスコアラーへと変貌を遂げている。新外国籍選手のビッグマン、77番のマティス・クラチョフスキー 選手、64番のヤシン・コロ選手が縁の下を支えている。
アローズが連敗を脱出するために必要となるのは、HCが強調する「チーム」としての意識の徹底に尽きる。
本来目指すディフェンスからの速攻の起点を自らの手で作り出すことが求められる。
ホーム高松市総合体育館で、課題を修正しアローズ「らしさ」を取り戻せるか。四位一体、四国ダービーでの敗戦を糧とすべく、チームとしての真価が問われる一戦となる。