ファイブアローズ

【ゲームレポート】アローズ延長の死闘を制し5連勝。首位争いのGAME1埼玉を下す。

B3リーグ2025-26 第7節 1試合目
香川ファイブアローズ  83 - 81さいたまブロンコス
@高松市総合体育館 11月8日(土) 14:00試合開始
(延長戦0秒、ニースミスⅡ選手のシュートを防ぐデイビス選手)

首位争いがかかるB3リーグ今節、2位のアローズが4位のブロンコスをホーム高松市総合体育館に迎えての第一戦。

試合は序盤から激しく、第3クオーターの5分29秒には、ブロンコスのオリバー選手とアローズのカロンジ磯山選手が接触からヒートアップ。退場となる乱戦模様に。更に試合は延長戦に突入する熱戦となった。
延長戦の最終盤、アローズは請田選手のスリーポイントとヘイモンド選手のフリースローで 83-81 とリードを奪う。対するブロンコスのラストプレー、ニースミスII選手がインサイドペイントでのシュートを放つが、これは決まらず。アローズが上位対決のGAME1を劇的な形で制した。

この日のアローズは、インサイドの主力であるランプキン選手と佐藤選手がコンディション調整で欠場。さらにカロンジ磯山選手が退場するアクシデントに見舞われ、インサイドの外国籍選手はデイビス選手一人という手薄な状況に。
ブロンコスは第3クオーター終盤から、バットリック選手、ニースミスII選手がこの状況を見逃さず、徹底してペイントアタックを仕掛け、香川は厳しい展開を強いられた。その中で大黒柱となったのが、キャプテンのデイビス選手。
デイビス選手は41分10秒出場、18得点10リバウンド5アシスト2スティール2ブロック。攻守にわたりコート上で絶大な存在感を発揮。要所でのブロック、リバウンドなどで「AD(エーディー)」コールが響いた高松市総合。ホームのブースターの声援を力に変え、我慢を続けたアローズは、最後のポゼッションを守り切り、連勝を「5」に伸ばした。

試合後インタビュー

籔内 幸樹HC :

(試合の総括)

選手たちが本当に頑張りましたね。試合の出だしは、いつもの自分たちのバスケットをしたいと思っていました。(今日は欠場者もいて)ラインナップが違う、ローテーションが違うっていうところもあって。なんとかしようとしてたんですけど、うまくいかないところもあって。それでも本当に切れずに我慢して我慢して、なんとか繋いで繋いで繋いでで。最後自分たちがオーバータイムで勝った試合になったんですけど。
勝ったことよりも、これだけ我慢できるようになったなっていうのが、そっちの方が僕、個人的には嬉しくて。今週は本当にしんどい状況でした。ですが選手たちは、そんなことを微塵も感じさせないくらい、しっかりとプライドを持ってコートに立ってくれました。結果として、ブースターの皆さんを笑顔で帰すことができた。これは本当に、これ以上ないことです。選手たちに心から感謝しています。

(第3クオーターで退場者が出るなど厳しい状況での対応)

ビッグマンが本当にADしかいなくなるっていうところだったんですけども。ただ、ある程度それも想定しながら今週の練習でやってきた部分もあったので。エラーもあったんですけども、ポジティブなところもたくさんあって。何より、選手たちが最後まで気持ちを切らさなかった。言ったらこう、もっとこうできる。ああできるなんていうものはほんとにいっぱいあるんですけど。そこにこう執着するんじゃなくて、『今できること』っていうところに対して彼たちがしっかり気持ちを持っててくれたんで、その結果に最後転がってきたかなと思います。

(延長戦の残り6秒、タイムアウトでの指示について)

スリーポイントだけは絶対に打たしたくないっていうのと、簡単にペイントの中でフリーでシュートを撃たすようなことはしてほしくないっていうこと。相手は、KJ(松井選手)だったり、崚太(近藤選手)もコートに出てきていましたし、スコアをできるシューターとビッグマンを絡めてプレイしてくるだろうと考えていました。そのため、ディフェンスでは、ビッグマンへの対応を軸に、外のディフェンスは深く出過ぎない、という指示を徹底しました。そのあたりの指示を、選手たちがしっかりと理解して、完璧にやってくれました。

(請田選手の活躍について)

本当に成長してると思いますよ。間違いなく。
1番僕に怒られてるんじゃないですか、毎日毎日。ただ、僕はもう一段階、彼をレベルアップさせたいんです。
彼が良い選手であることは、皆さんもご存知の通りです。しかし、『良い選手』と『相手にとって脅威となる選手』いうのは、ちょっとまた違うんです。プロ選手は皆良い選手です。彼が『ただの良いプロ選手』ではなく、本当に相手に脅威を与える選手になるためには、スキルの部分ではなく、やはりメンタルの部分だと思います。彼はまだ経験が必要かもしれませんが、今は10代でもこの世界に入ってくる選手がたくさんいます。『若い』とか『経験がない』とは言っていられない状況です。だからこそ、僕はあえて彼と本当に色々な話をしています。僕自身が、彼のことを『若い』『経験がない』という見方はしないと決めています。技術は本当に申し分ありません。だからこそ、彼には『今の状態で目指すべきところ』へアプローチをさせています。

技術は素晴らしいのですが、ちょっとマインドセットの部分で、なぜか、本人も分かっていると思いますが、消極的になってしまう瞬間があります。調子が悪いというよりは、『良い時』と『消極的な時』のバランスを、まだ自分でコントロールできていないんです。これがコントロールできるようになったら、彼のプレーはもっと安定するはずです。持っているものは本当に素晴らしいですから。

(今日の試合はチームにとっても大きな自信になるか、という問いに対して)

はい、そうだと思います。このシチュエーションは本当にしんどかったんですよ。今週はしんどくてしんどくて、選手たちは本当に大変だったと思います。試合が始まる3~4時間前まで、彼らも様々な気持ちを整理するのが難しい状況でした。それをまず、ちゃんとしっかりやりきった。埼玉がどうというよりも、まずしっかりと『勝ちを拾った』という点に、僕は非常に大きな価値があると思っています。本当に、別に綺麗な勝ち方では全然なかったです。でも、これから本当に優勝を目指したいのであれば、綺麗な勝ち方だけでは勝てないんです。綺麗に勝てない時でも勝つ、それが僕たちのチームなんです。誰が抜けても… J(ランプキン選手)がいない、ダイスケ(佐藤選手)もいない、最後はパト(カロンジ磯山選手)もいない状況になりましたが、うちは正直、誰か一人のバスケットをしているのではありません。僕は誰か一人のためにバスケットを作ることはしないので、『誰が出ても自分たちのバスケット』というコンセプトがあるんです。コーチが『コンセプトをやりなさい』と言うのは簡単です。しかし、選手たちが今、それを自分の体と頭と気持ちを全て使って、なんとか習得しよう、習得しようと努力してくれている。ロッカールームでも言ったのですが、あれだけAD(デイビス選手)が唇を噛みしめて我慢している姿は、僕は見たことがありませんでした。本当に我慢してくれたんです。もう本当に、あれがうちのキャプテンです。

(香川:デイビス選手 18得点10リバウンド5アシスト2スティール2ブロック 、ヘイモンド選手 20得点9リバウンド2アシスト、今林選手 13得点7リバウンド1アシスト2スティール 請田選手 9得点1リバウンド5アシスト4スティール 高橋克実選手 10得点1アシスト )

(埼玉:バットリック選手 21得点7リバウンド2アシスト1スティール 、ニースミスⅡ選手 13得11リバウンド1アシスト 、多嶋選手 10得点1リバウンド1アシスト 、 松下選手 10得点1リバウンド2アシスト )

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