ファイブアローズ

【インタビュー】「今シーズンはこれが香川だというスタイルで優勝を」籔内幸樹ヘッドコーチインタビュー

ー今シーズンの香川ファイブアローズのポスターには「優勝するクラブへ」と掲げられていますが、改めて今シーズンの目標は。

目標はもちろん優勝です。

ー昨シーズンから残ったのは、ムッサ・ダマ選手、ニューベリー・リチャード選手。そして筑波拓朗さんはサポートコーチに。ロスターの大幅な入れ替えがありました。

プロクラブとして、選手の入れ替わりというのがある。個人的には同じメンバーでやりたいのが前提ではありますが。プロクラブとして、クラブは新しい編成をする中でやっていくものです。B3リーグを優勝するという目標の中で、今シーズン来たメンバーに対して優勝できるメンバーであると、その目標に対する期待値が昨シーズンと比較しても負けてない、むしろ昨シーズン以上のものだと思っています。

ー昨シーズンプレーしていた選手達が替わってしまい、今シーズンはまた1から作り上げているようなものなのでしょうか。

40勝10敗でクラブ過去最高勝率、B3リーグレギュラーシーズンで2位という好成績だったことで、素晴らしいだとか言ってくださったりもしますが、僕は何の積み上げもできなかった1年というか、正直言うともっと違うバスケットをしたかったというのもあります。

どの相手でもまず自分たちでやりたいことをまず今年はやりにいけるんじゃないのかなっていう。去年はそれができなかったんですよ。

昨シーズンはもう全部相手に合わせなあかんし全部こっちがはめないと勝てなかった。その場しのぎのバスケット。それを積み上げて40勝だったと思っていて。

今シーズンは優勝を目標にしていますが、生岡代表も掲げる香川ファイブアローズの「文化」をつくるということもあります。B3リーグ優勝を目標とする中でそれを1からというよりも0から今作っていっていると考えています。

ー籔内HCが考える香川ファイブアローズの「文化」をつくるとはどういうものなのでしょうか。

ヘッドコーチとして、僕たちの香川ファイブアローズのバスケットボールを作っていく側の目線の文化っていうのはやっぱり見てる人や支えてもらってる人に対して、香川ファイブアローズってこういうバスケットだよね。とか、こういうコーチだよね。こういう選手だよね。っていう認知してもらうこと、これが文化と思ってるんですよ。

それを考えると去年はそれを作れなかったんで、文化になっていないと思ってて。ただその文化を作らなければならないっていう1年にはなったとは思ってるんです。香川ファイブアローズのバスケットボールのスタイルとして本当に自信がつくのは今年からだと思ってるんで。今年はもちろん勝つことが前提でそれが目標で、さらに自分たちのコンセプト、自分たちのバスケットをやりに行けるっていうのがまず一番今年の楽しみなところだと思います。

ー開幕を控えての現状チーム作りの手応えは。

チームとしては昨シーズンの冬頃にやっていたような内容を既にやっているというところがあってそこは手応えがあります。今強いか弱いかはまだ分かりませんが、8ヶ月後のプレーオフには確実に強いチームになっていると思います。優勝するという目標の中で8カ月後にしっかりとピークにもっていくようにしたいと思っています。チームのピークがシーズンの中盤ごろに来てしまった為に、終盤トーンダウンしてしまった。そこは反省点として、しっかり優勝という目標に向かう中でチームとしてピークの状態でプレーオフを闘いたいということです。

ープレシーズンゲームでは3試合で平均失点が71.6点とディフェンス面では素晴らしい成果がみられます。課題はオフェンスの部分でしょうか。

今シーズンは得点が取れていないということを言われたりもしていますが、オフェンスの能力というのがプレイヤーの個々のオフェンス能力、B1,B2,B3ディビジョンの差としてすごく出やすいものです。仮にB1のクラブ、宇都宮ブレックスで言うならば、比江島慎選手やD.J・ニュービル選手がいることで、宇都宮ブレックスと対戦するクラブはどうしても守りが難しくなると思います。そして、比江島選手は、比江島ステップを持っていると、そんな風にファン・ブースターの方から呼ばれていますよね。彼らは選手としての色、スタイル・特徴というものを持っています。だからこそ彼らはB1にいる。選手達が自分たちの色をしっかりと出せるようにすることだと思っています。

ー籔内HCが色が出てきそうかなと思う、その兆しがありそうな選手は。

ここにいる選手みんなに期待しているし、どの選手もすごく可能性があると思っています。ユウヤ(#9 請田 祐哉選手)やカツ(#4 高橋 克実選手)、彼らはもともとSGの得点を取るポジション選手で、身長が低いながらも得点の能力が高い選手。今は彼らにポイントガードをやってもらうことで、5年10年と考えたときに彼らの道、選択肢は確実に広がります。イクミ(#13 高橋 育実選手*克実選手の兄)は生命力の塊のような選手。今は悩みながらやっているところがありますけど、今後彼の力で勝つ試合というのがきっとあると思っています。ミツ(#16 満尾 竜次選手)はコーチの要求に応えて何でも出来る選手。それを本当に高いレベルで何でもできるという色が濃くなっていけば。リョータ(#22 近藤崚太選手)は良いシューターです。リョータには今後、良いシューターから怖いシューターになってほしい。勿論、ケイタ(#23 シェイク・ケイタ選手)やダイスケ(#1 佐藤大介選手)もポテンシャルが高いです。すごく可能性がある選手達です。彼らは今後3年、4年後にきっと素晴らしい選手になっているとも思います。

ーB1でも活躍した経験豊富なベテラン選手。根來新之助選手と岡田優介選手が加わりました。

ユースケ(#10 岡田 優介選手)は本当にプロで、お金を払ってでも見るべき選手。やっぱり見せ所としてはスリーポイントシュートという仕事です。国産型シューター。そして今も努力のシューターです。本当に実際に会場で見る価値がありますよ。そういう選手を増やさないといけないんですよね。見たいと思う選手がいて、チケットを買ってもらって、お金をそうして払ってもらって僕たちは仕事をしているので。そして、スポンサーの皆様にも、僕らの仕事はまだ結果が見えないことに対して期待してくれていて、対価を支払ってくれている。仕事の対価が見えにくいものに対して普段から何をお返しできるかはしっかりと考えなさいというのは話をしていたりします。ユースケはユースケを見るだけで僕はお金を取れると思っているので、もちろんプレーが上手いとかそういうことだけではなくて。それがプロなので。だからそういう選手をやっぱり増やしたいんですよね。ネゴ(#16 根來 新之助選手)はむしろお金では買うことができないような選手。替えが効かない選手。そのキャラクターがすごく魅力的な選手です。ただうるさいですけど。うるさいだけじゃなくやっぱり、試合に関してもしっかり状況判断や読みができるし、チーム全体が上手くいっていない、自分自身のパフォーマンスが満足なものではない、不満が溜まりやすい状況でもしっかり自分に矢印をむけて頑張れる、立て直すことができる。チームを良い方向へ導いてくれる。そして、プロの世界で沢山のコーチたちと一緒にプレーしてきた経験。FE名古屋の川辺泰三コーチ、三遠ネオフェニックスの大野篤史コーチ、シーホース三河で鈴木貴美一コーチ、大阪エヴェッサで桶谷大コーチ、本当にいろいろなコーチ、そして選手達とやってきているので、そういう経験をもった選手がB3にいるということもなかなかないような貴重なことだと思います。

ー最後に。いよいよシーズンが開幕します。意気込みをきかせてください。

チームでも話していることですが、今シーズン”Believe in”って英語で言うんですけど、信じ切る。信じるだけじゃなくて信じてやりきりる。ということをかなり強調して言っています。

これからのレギュラーシーズンは勝たなければいけないゲームで、その8ヶ月後を見据えながらやっていきます。だから本当に勝つチーム。勝てる選手。勝者になる準備をしなさいよって話をチームでもしてるので。

今シーズンはやっと勝ちを味わえるんじゃないのかなと思っていて。僕は楽しみにしてます。

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